2016年3月1日火曜日

日比谷パレス 結婚式の披露宴の撮影について

すこしずつ暖かい日も増えてきましたね。
本日は3月1日。

2月の終わりに横浜のみなとみらいで、CP+というカメラ機材のイベントがありました。
もちろん僕も機材好きなので初日に行きました。

そこでの新商品のまとめはいろんな人がいろんなところで書いています。
僕のフェイスブックのタイムラインはそんな話ばかり流れてくるので、ここでは割愛。

CP+で僕が一番あっと思った瞬間は写真評論家の方が講演で話していたブレッソンの「決定的瞬間」の話。
それは自分の持っている「イメージ」と「現実」が重なった瞬間のこと。というお話でした。
やっぱり言葉の意味が書き換えられるお話を聞くと印象に残りますね。


さて、前回に引き続き1月に撮影させていただいたパーティーの撮影について書きたいと思います。

日比谷パレスでの結婚式

持ち込みでのウェディングパーティーの撮影について


披露宴を撮影するうえで、ビデオグラファーが常に意識している人物がいます。
それは会場キャプテンです。

会場キャプテンとは当日2人に付いて、新郎新婦に入場の段取りを説明したり、ケーキ入刀の段取りを説明したり、全体のスケジュールを管理して、周囲のスタッフに指示を与える役割の人です。
その人の動きさえ見ていれば、披露宴の進行が進むタイミングが分かります。
そうすることで、先回りして良いポジションに入ることが出来ます。
これはもう日本中どこの会場でも同じなので、「持ち込み」であっても日本中どこでも問題なく撮影することが出来ます。
だから、結婚式のビデオ撮影で最初に教えられるのは、キャプテンの動きを目で追うこと。
極論、新郎新婦やゲストの表情を無視して、キャプテンだけを見ていれば、プロとして安全に確実に披露宴を撮る事は出来ます。

でも、それはプロなら出来て当たり前。

そこから+αでどれだけのものをみつけられるか?
そのために大事なことは、どれだけイメージができているか?

たとえばゲストがこっそりと会社のみんなで寄せ書きをしていて、歓談の時間に2人にプレゼントしたり。
たとえばかわいらしい姪っ子、甥っ子がクレヨンで2人の顔を書いてきてくれてたり。
そういうのは進行表のどこにも書いてありません。2人も会場スタッフも知らないことです。

でも予兆は必ずある。
誰かが何かをしているから、その現象は起きている。

結婚式に関して言えば、良いビデオグラファーほど、披露宴会場の歓談中にキョロキョロしているという印象があります。
お子様の席に置いてあるおもちゃやお菓子のプレゼント、ご家族の席札の裏側のメッセージ、スピーチを控えた友人を冷やかしながらも励ます別の友人。
予兆は会場に、進行表の中に無数にあります。

まぁ、そんなわけで、せわしなく落ち着きなく、でもそれを表には出さず披露宴を撮っていきます。


一つの言葉、一つのしぐさで、その後の撮影は変わる


その日のパーティーは良い意味でゲスト同士の距離が近い、とても温かな雰囲気のものでした。
進行は古い友人の方々も、お仕事先の方も、ご親族も登場してくる構成になっていて、お2人のお気遣いが感じられるものでした。

そんな中でも、新婦の手紙が感動的でした。
いつも感動しますが、今回は格別でした。

お手紙の中で、
「お母さんとお父さんが結婚して、妹が生まれて、妹が結婚して、姪っ子が生まれて、私にも守ってくれる人が出来て、家族が増えていくことは幸せなことですね」
という一文がありました。

とても素直に結婚というものを捉えた言葉だなと思いました。
この言葉をしっかりと映像で表現できればいいな、と撮影中から考えていました。
お見送りが終わってからも、新婦のお母様にお2人へのメッセージをいただいたりしました。
そこでお母様が胸に秘めていた、新婦へ伝えたかったことを伝えて頂きました。

「撮影はいきもの」

ひとつの言葉、ひとつの状況に反応して、そこからどんなストーリーを描けるか?
その言葉や感情を形にするのに、どんな映像が必要か?言葉が必要か?

理想は言葉だけじゃなく、目で見て伝わるような象徴的な画が閃くことです。
見ればテーマが分かるような。
閃いて、それを演出して、撮れるビデオグラファーになりたいと思います。

でも、それを演出じゃなく、自然な流れの中で構図を作って撮れたら…。

「決定的瞬間」
イメージと現実が重なる瞬間。
撮りたいなぁと思います。


完璧な撮影はない


こんなことは書くべきではないのかもしれませんが、結婚式を撮影していると、もっとこうすれば良かった、こういう風に出来れば良かったと思うことばかりです。
あの時、目に映ったものがしっかりと撮れてたら、こんなストーリーを表現できたのに。
後から考えたら、この時フォーカスが手前じゃなく、奥にあってれば凄く深い表現なのに!とか。

それでも、自分がこの結婚式の撮る事に意味がある。と信じてその場にいます。

初めて新婦にお会いしたお打ち合わせの際に「すごい探して見つけました!」といわれました。
(この言葉は、最近結構な割合で言われます。)
結婚式の映像を撮影する業者はたくさんあります。
その中でもすごく探して見つけてきてくれたことにできるかぎり応えたいと思います。
だって、そこにはビデオの業者をすごい探して、映像で残しておきたいだけの素晴らしい結婚式・披露宴があるはずだから。

3月、ようやく結婚式の季節。
頑張ろうと思います。

編集のことまで書ききれなかったので、それはまた次回!


ウチキフィルム 打木 健司
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